環境問題と 福祉問題を解決。

今、日本で(安全に食べられるのに)廃棄される食品は年間642万トン。

それは日本の米の生産量(840万トン)の4分の3と同じです。

フードバンク活動とは

 フードバンクとは「食料倉庫」を意味する福祉活動です。まだ食べられるのに様々な理由で処分されてしまう食品を、食べ物に困っている施設や人に届ける活動です。

 フードバンクでは食品関連企業や個人から、こうしたフードバンク食品を無償でいただき、それを生活困窮者や福祉施設・団体に無償で届けてきました。


例えばこんな場所に

  • 児童養護施設に 女性シェルターに 母子支援施設に 福祉施設に 
    炊き出しに 被災地の仮設住宅に 路上の困窮者に 生活困窮世帯に

しかし日本では、多くの人が明日の食べ物にも困る状況で暮らしています

  1. 若者:不安定な就労をし、雇い止めと同時に職と住居を失うワーキング・プアの存在(非正規雇用率36.7%)
  2. 母子家庭:パートをかけもちしながら働く貧困線以下の母子家庭の窮状。一人親家庭の貧困率は50.8%、2軒に1軒の割合です。
  3. 高齢:病気、精神疾患になり年金も少なく、「人の縁」に恵まれないなど、経済的にも精神的にも困窮、孤立している高齢者の窮状。
  4. 国の限界:生活保護が急増し(216万人/2014年)、財源的に一定の限界があり、それらは給付制限となるなど社会保障には一定の限界があります。
  5. 生活保護以下の暮らし:生活保護では困窮者の全部は救えていません。事実上、生活保護以下の収入で暮らしをしている人が数倍いると推計されています。(同法の捕捉率は10-30%とも言われます)
※厚生労働省(2009)1920万人  ※社会生活の中で安全かつ十分に栄養のある食べ物が得られること。
※厚生労働省(2009)1920万人  ※社会生活の中で安全かつ十分に栄養のある食べ物が得られること。

 日本の相対的貧困率は15.7%。所得が国民の「平均値」の半分に満たない人の割合です。G7の中では、米国についで(ワースト)2位の高い数字です。2016年では112万円が貧困線で、貧困線以下で生活している人は1920万人います。

このうち、生活保護受給者は216万人。さしひき1700万人の中には、なんらかの理由で生活保護を受けられず、明日の食べ物にも事欠く人が数十万人います。

 母子家庭の貧困率はなんと50%。病児保育がない、児童手当が少ないなど、労働政策、社会保障政策が貧困を解決していないことが原因です。

日本の相対的貧困率はG7の中で米国に次いで高い(2017 OECD)
日本の相対的貧困率はG7の中で米国に次いで高い(2017 OECD)
食料の困窮経験が「あった」世帯の比率(2017 内閣府)
食料の困窮経験が「あった」世帯の比率(2017 内閣府)

ますます必要とされるフードバンク活動

 このような現状で「フードバンクうつのみや」「フードバンク県北」を含む国内のフードバンク活動全体が活用できている食品は、食品ロスのほんのわずかにすぎません。
 これからもさらにフードバンク活動を広げ、食品ロスを減らすとともに生活困窮者や福祉施設・団体への支援を広げていくことが求められています。

しかし、活動には資金が必要

 フードバンク活動は全て寄付で行われています。でも食品を保管する倉庫、運搬用車両、光熱水費、通信、専従職員の給料など、様々なお金(経費)が必要です。すべてをボランティアでまかなうことは不可能なのです。
 例えば1,000円があれば、その10倍の金額相当分の食料を届けることができます。 多くの食品を必要な人に届けるには多くの資金も必要です。せっかく食品が提供されることになっても、活動資金の不足のために受入れを断念せざるを得ない現実があります。

チャリティウォーク[県北21・宇都宮22]に参加して、フードバンク活動を支援しよう

 [チャリティウォーク]は、フードバンク活動を支援するためのチャリティイベントです。このイベントへの参加費・寄付は、すべてフードバンク宇都宮の活動のために充てられます。
 参加者はただ歩くだけでなく、皆で一緒に社会問題を知り、広め、寄付を募ります。そうした中で、寄付金だけでなくこれらの問題を解決するための仲間を増やしていく。それが、このウォークの目的でありゴールとなります。

 フードバンクとは、命をつなぐ最後のセーフティネットです。「私たち自身がセイフティネットを作っていく」必要性を理解し、またこうした仕組みの存在があることで「やりなおしがきく社会」をつくる希望となることを、一緒に広めてゆきませんか。

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